秋の初めの雨

　ベランダのプランターに、苺の苗を植えたり、えんどうの種を撒いていたら、ポツポツと大粒の雨が落ちてきた。ちょうど予定の作業が終わったところだった。そういうときの雨というのは、実に気持ちがいい。ベランダの野菜たちも、葉や実をつやつやと光らせていて、とても嬉しそう。
　コスレタスの種を撒こうとして、能書きを読んでいたら、下準備に2～3日かかりそうなので、今日撒くのはあきらめた。週半ばに発芽のために種を水につけ始め、うまく発芽したら、週末にブロッコリーの株の移植と一緒に作業をすることにする。
　これでベランダの野菜たちは茄子、ほうれん草、はつか大根、ルッコラ、えんどう、にんじんの6種類となる。そこに来週、ブロッコリーとコスレタスが加わる予定。
　昼は、直前に収穫したほうれん草と、ハムとにんにくでパスタにした。緑、ピンク、チーズの黄という取り合わせが美しかった。思わず、ビールではなく、ワインで少しおしゃれなランチにした。ルッコラのサラダを添えて。DVDは長女と、「ルパン三世-ハリマオの財宝を追え！！-」。
　午前中は、溜まりに溜まった学校関係の書類を全部ファイリングし直した。以前から、それぞれの娘の名前をつけたファイルと他に、長女の高校進学関係のファイル、そして、PTA役員関係のファイルと使い分けて整理はしていたが、それでも少なくとも学期ごとに中身を見直さないと、ファイルのポケットが足りなくなってしまうのだ。
　少し気が早いけれど、後々ラクできるように11月の下旬にあるPTA研修会に必要な事前資料を作成した。研修では記録係に当たってしまったが、小学校役員の研修で一度経験済みなので、要領はだいたいわかっている。平日日中の会合。役員の活動のために会社を休むのはすごく損な気分だが、まあ、午前中だけなので、午後はゆっくりどこかで外食したりして、忙しい会社の仕事の息抜き、と考えることにする。長女と次女の学年で各1回ずつ役員を務めたことになるので、今年度一杯でお役御免。最後なので、気楽に行こう。
　かなりのプリントや資料が処分できてスッキリしたものの、地球温暖化という犯罪に加担してしまった感もあり、肩身が狭い。せめて、裏が使える紙は大きさ毎に分類し、娘の絵の練習用にストック。彼女はその紙に毎日、鉛筆やペンで絵を描き、短い言葉を残している。週に一度しか描かない私を技術的に上回る日は、そう遠くないだろう。
　夫がパチンコから帰ってきた。今日の成績は悪かったようでおみやげはナシ。これから遅い昼をとってお昼寝。長女も横で眠っている。次女は雨だというのに友達と屋外で遊んでいるようだ。静かで平和な祝日の午後。
　夕食の炊き込みご飯の下ごしらえはできている。炊き込みご飯は、炊けるときのあの匂いがいい。みんな眠っていたり、外に出たりしているので、今日は一番風呂をいただこう。湯船へのお供は一条ゆかりセンセイの「有閑倶楽部」だ。
　絵は、2004年の週末絵日記（当時はブログではなく、アナログの日記だった）より。まだ小学4年生だった次女が公園からの帰り道で拾ってきてくれたどんぐりを描いた。

スケッチ散歩

　今日も天気よし。体調よし。ということで、またまた海まで散歩に出かけた。久しぶりにスケッチでもしようと、押入れから携帯用の水彩セットを引っ張り出し、おやつのクラッカーとお茶もリュックにつめる。午前１０時、海へ出発。
　ここ数日、ほぼ毎日同じコースで行っているので、今日は海へ続く川沿いのサイクリングコースを歩いてみた。風が心地いい。大きな帽子に長袖、手袋をした日焼け対策おばさんの仲間にはまだ入りたくないので、帽子はかぶるものの、日焼け止めクリームをたっぷり塗った腕は、太陽にさらす。
　臨海公園に入ってほどなく、松の林の中に、絶好のスケッチ場所を見つけた。海に面してはいるものの、うっそうと木に囲まれているため、レジャーにきた人たちはそこに場所をとったりはしない。ジョギングコースの道端の奥で、更に急な斜面のため立ち止まる人もなく、スケッチブックを覗かれる心配もない。
　そこに、「描いてちょうだい」と言わんばかりのたんぽぽが、一輪だけ「居」た。まさに、私を待っていたかのようにポーズを決めていた。
　時間はあまりない。描き直しを避けるために、いつにも増して集中した。上手くなくてもいい。きょう海に来て、野の花を一輪スケッチできた、という記録にできればそれでいい。
　１時間１０分経過。もっと、バックを描き込みたいけれど、タイムアップだ。クラッカーなどかじる余裕はなく、やっとの思いで一枚描いた。急いで荷物をまとめ、帰りは最短コースのいつもの道で。
　葛西臨海公園駅から、ラクロスの会場に向かう学生が、道一杯に広がって歩いている。公道の歩き方を親に教えてもらえないまま、図体ばかりがでっかくなってしまった、気の毒な子たち。そのド真ん中を、ぶつかりそうになりながら駆け足で突っ切る私。こういうときだけは「おばさん」で結構。私に残された時間は、あんたたちのそれよりもずーっと短いのよ！
　午後１時、帰宅。もうすぐ次女が部活から帰ってくる。急いで蕎麦をゆで、てんぷらを揚げる。「ただいまーっ！」。憧れの先輩に褒められたらしく、彼女は上機嫌だ。昼食の準備に間に合って、私もうれしい。
　こんな日はやっぱり「昼ビール」だ。

優先順位

　うれしくて今朝も５時に目が覚めてしまった。これで３日連続。休日はいつもこうだ。昨夜からの描きかけのアスパラガスの絵を、朝食前に仕上げる。いつも買う水彩紙が品切れだったので、仕方なく買ってみた別の紙の試し描きのつもり。以前のよりも粗目なので少し違和感があるけれど、悪くはない。もう何枚か描けば慣れるだろう、と、楽観。
　５月１日と２日が社休日なので、９連休となった今日はその３日目。次女を部活動に送り出し、洗濯物とふとんをベランダに乾したら殆どすることがなくなった。まだ寝ている長女にサンドイッチを作り、メモを置いて片道徒歩５０分ほどの、葛西臨海公園へＧＯ！時刻は9時半。
　文句なしの晴れの休日。急ぎ足で歩くと、半そででも汗をかくほどの陽気。一昨日歩いたときには全く痛まなかった足が、今日は少し悲鳴を上げていた。今頃、筋肉痛か？
　海は、バーベキューをしにきた家族連れ、学生などでものすごい人出だった。東京湾はあまりきれいじゃないけれど、天気のいい早朝には、ここから富士山が見える。子供達が小さかった頃は、ホットドッグにビール、コーヒー、スナックなどを持って、毎週のようにピクニックに来ていた。今は休日の過ごし方も、家族みんなバラバラだ。
　帰宅途中のスーパーで夕食の食材を買い、その足で古本屋、八百屋、ホームセンターへ。古本屋で林真理子、山本文緒の文庫計３冊、八百屋でじゃがいも、いちご、ホームセンターでミニトマトとなすの苗などを買って家に向かう。それでもまだ午後１時。
　暑かったので、昼はつめたいお蕎麦にした。てんぷらは、あり合わせで作った、コーンとにんじんと小エビの掻き揚げ。買ったばかりのみずみずしいしょうがをたっぷりとすりおろす。３５０ｍｌ缶のビールを１本だけ空けた。
　半日乾した太陽の匂いのする布団に寝転がり、「星の王子さま」を読む。まもなく、夢の中。２時間の午睡。午後４時、「寝てなんかいないよ」という私に、「よく言うよ、爆睡してたくせに！」と、朝１０時まで寝ていた長女に言われ、苦笑しつつ、ふたたび「星の王子さま」に手を伸ばす。
　今日植えるはずだったミニトマトとなすの苗は、明日のお楽しみに。そうだ、アスパラガスとオクラの畑も作らなければ！この夏のベランダは、昨夏より賑わいそうだ。大事なのは実をつけさせることではなく、毎日、世話をすること。これが、楽しい。いやなことも、その時間は忘れている。
　久しぶりの大型連休。いつもなら実家に帰るところ、長女の中間試験が間近であり、実家の母も目の手術の直後だということで、今回は遠慮した。おかげで思わぬ「時間のプレゼント」があった。あえて計画は立てていないものの、やりたいことがいろいろ浮かんでくる。
　読めずに積み上げてある童話、小説、エッセイをこの機会に読み、朝からよく働いた日には、昼ビールを許す（この連休では今日が初めて）。床にワックスもかけたいし、換気扇の掃除もしたい。ベランダのプランターに、夏野菜の種や苗をたくさん撒いたり、植えたりしたい。
　いつもなら「やるべきことを先にやって」から、その後にやりたいことに手をつけるところだけれど、そんなことをしていると、「その後」が来た頃には、本当にやりたかったことをやる力は残っていないということを、経験的に学んでいる私。この９連休は、許される限り、やりたいこと最優先でいく。