母の日と誕生日のすてきな贈りもの

　母の日だ。ずっと前から、「お金とか、形のあるプレゼントはいらないから、お手紙と、一日お母さん代わりというのをプレゼントして欲しい」と言っていた私。今年ついに、長女が動き出した！
　5月12日が私の誕生日でもあることから、母の日と、誕生日のプレゼントということで、今日の一切の家事は、夫と娘たちが引き受けてくれることになった。
　朝は、7時前から目は覚めていたが、娘たちが自然に目を覚ますのを、撮り溜めしておいたテレビ番組を観ながら待っていた。8時頃、やっと長女が目を覚まし、「かあちゃんはそのままでいいから」といって、「ねみ～」と言いながら、身支度を始め、早朝からパソコンで仕事をしていた父親を促して、いっしょに朝ごはんの支度に入った。
　ちゃっかり二女は、「今日は一日、かあちゃんの付き人をするから」といって、特に家事らしいことはしないで、私にぴったりくっついている。
　朝ごはんは、トーストとハムエッグ、スティックサラダとコーヒーという豪華版だった。準備から後片付けまでもちろん、夫と娘たちがやってくれた。その後、私は留守番で、3人でスーパーへ行き、昼と夕食の食材を仕入れ、チキンの予約もしてきたらしい。
　昼は夫のお得意の野菜たっぷりの焼きそばだった。私は、朝のうちに携帯で撮っておいた夫の珍しい姿を水彩画にしながら、お昼を待っていた。狭いキッチンで、でかい夫と、身長がほぼ私と変わらない娘たち3人が並ぶ。なかなか見られない光景だ。
　昼はもちろん、缶ビールを開けた。朝も昼も手を汚さずにご飯をいただけるなんて、主婦にとって最高の贅沢ではないだろうか？我が家は旅行というのをしないし、旅は旅でまたいろいろ疲れる。自宅に居ながらにしてこんな贅沢はなかなか味わえない。
　いつもは長女が夕方早いうちから一番風呂に入るが、今日は私がその権利を得た。休日の明るいうちに入るお風呂が私は大好きだ。そして、また、夫と娘たちが夕食の支度をする間、こんどは、寝転がって、長女のお勧めのコミックを読ませてもらう予定。
　誕生日当日は平日だが、二女が2泊3日の八ヶ岳合宿から帰ってくる日なので、今度は私が手巻き寿司の支度をしようと思う。
　家族にもらえるものなら何でも幸せと思う。でも、やっぱり、「一日、楽させてあげたい」という、その“気持ち”が、私はいちばん嬉しい。私は独身の頃、母親にそんなことをしてあげなかった。今は離れて暮らしているけれど、もう、子供たちもこんなに成長したので、これからは、母の日に、一日「母のおかあさん」をしてもいいかも知れない。そう思う、ことしの母の日。