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昨日は娘たちの中学校の運動会だった。彼女たちの学校の運動会は、各学年の1組が黄色、2組が赤色、3組が青色、というように、縦割りでチームを組み、黄、赤、青、緑、白の計5チームで競う方式。
おもしろいのは、「応援パネル」という、畳二枚分ほどの大きさの看板を、各チームの3年生が制作し、当日、生徒席の後ろにある藤棚の上に、本部席に向けて掲げて、こちらの出来も審査の対象に入るということ。
あくまでチームで描くものだけれど、そのチームに美術部員がいれば、その生徒が中心となってデザインし、指揮をし、最後の仕上げをするらしい。現在中3の長女は、この看板が描きたくて、中2の三学期から、美術部に入ったほどだ。
そのほか、数年に一度、ソーラン節で振る「大漁旗」を作り直すのだが、今年はその年に当たり、3年生では長女に白羽の矢がささった。
なので、運動会とはいえ、彼女にとっては芸術祭のごとく、毎日朝早くから遅くまで、ときにはお弁当持参で休日も学校につめて、旗やパネルの制作に当たっていた。
一方、本来の目的である運動の種目では、長女、次女ともに代表リレーの選手に選ばれていた。なので、リレーやソーラン節、応援パネルなど、今年の運動会は私にとって、見所満載でとても楽しみにしていた。
運動会当日、「絶対私たちの看板は、優勝するからね。閉会式まで残っててね」と長女。一体、あの自信はどこからくるのだろうか?落ちちゃったら、また泣いて帰ってくるんだろうなあ・・・
しかし、登校してみて驚いた。黄色組はその色の象徴として、虎をテーマにしたのは知っていたが、他のパネルに描かれたモチーフと違い、まるで審査員をにらみつけているような挑発的な目つき。今にも、絵の中から飛び出してきそうな動きもあり、かなりの迫力だった。
ソーラン節では演技の前に「制作者」として発表され、音楽が流れ出すと、「わー」っと叫びながら、その旗を高く掲げて、本部席に向かって勢いよく駆けてきた。練習はじめのころ、筋肉痛に泣いていたその苦労が、いま、報われようとしていた。生き生きとした表情は、1年生の頃の不登校を全く感じさせない。本当に彼女は自分で目標を見出し、それに向かって、確実に前進しているんだな、と、熱いもので胸が一杯になった。
旗は、2年生の女子に手渡され、長女は最前列で力強くソーラン節を踊った。「どっこいしょ、どっこいしょ!」という声が、離れて見ていた私の耳元までしっかりと届いた。
閉会式、私は彼女らの応援パネルが優勝するのを信じて、最後まで残って見守った。「看板の部。優勝、黄色組!」。あいつ、宣言どおりにやりやがった!彼女が朝礼台の前に進む途中、各学年の1組(黄色組)の担任の先生方が、彼女に「やったな」と目配せしたという。
大漁旗で、彼女を指名してくださった体育の女性教諭は、今年度をもって定年退職されるとのことで、閉会式と反省会のあと、生徒たちに胴上げされるというサプライズがあったらしい。大漁旗は「好きにしていいよ」と言われたが、長女はその先生に差し上げたらしい。
教室に戻り、総合優勝した彼女たち黄色組の応援団長は、担任から挨拶を求められ、閉会式ではこらえていた涙があふれてきて、言葉にならなかったらしい。それを見たクラスメイトももらい泣きをしたそうだ。もちろん、長女も。
本当にいいものを見せてもらったと思う。我が子の勇士だけでなく、そういった友情、そして、うまくいかなくても「最後まで諦めない!」という先生方の呼びかけ。大人になってからではなかなか触れることのない時間を、運動会でもらった。みなさん、お疲れ様。そして、ありがとう。
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プロフィール
HN:
May
性別:
女性
職業:
派遣社員、イラストレーター
趣味:
読書・お酒・ガーデニング
自己紹介:
派遣社員をしながら、絵本作家目指して、年1回、コンクールに応募しています。
【お知らせ】
2010年10月17日からしばらく日記を休んでいましたが、このたび、絵本のコンクールへの応募が無事済みましたので、2011年6月13日から再開いたしました。またよろしくお願いしますね。
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