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金曜日、世間はもう夏休みモードに入っていて、きっと店は空いているだろう、とたかをくくって向かったお気に入りのイタリアンレストランは、一杯で入れなかった。とても残念だったが、最近、お店の新規開拓というのをしていないので、路地を中心に歩いて、いい店を探すことにした。
輸入ビールの銘柄のロゴを大きく看板に配した、地下のこぢんまりしたバーを見つけた。大通りより50mほど奥まったところ。こういうところはたいてい、夜遅くまでやっている。時間がもう9時を回っていたので、ゆっくりと飲める店を探すのは難しい。ということで、初めてではあるが、入ってみることにした。
ただのショットバーだと思ったら、飲み物ばかりか、料理のメニューがかなり充実していて、うれしい。
隣の女性が「コロナ」を飲んでいるのを見て、懐かしくなり、私も一杯目は迷わずそれを頼んだ。
くし切りにしたライムを瓶の口に挿し、それを親指でぎゅっと押し込んでから、グラスに移さずにラッパ飲みをする。何も知らずに頼んだ初めてのとき(6~7年前)は、恥ずかしくてなかなかラッパ飲みができなかったものだ。
お酒は、場数だ。
いくら家で毎晩かかさずビールを飲んでいたとしても、外でビールを頼むときには、その銘柄を選ばなければいけない。私のように、なんだか知らないのに適当に頼んだりすると、恥をかくこともある。
女性の場合、現場で修行するのはとても難しい。女同士だとどうしてもおしゃべりに集中してしまうし、男性と二人きり、あるいは複数でも飲みに行ける「チャンス」は、今となってはめったにやってこない。
私の大好きな作家、故・森瑤子さんの小説には、ひとりでかっこよく飲んでいる女性がよく登場する。きっと、彼女自身がそういう大人の女性だったのかも知れない。それは彼女のエッセイからも推察できる。
彼女は頭もよく話題が豊富で、雰囲気のある「いい女」だったので、酒場で一人きりだったとしても、絵になったであろうし、男性とのかけひきも上手いので、声をかけてきた男性を退屈させることもなかっただろう。相手を値踏みしつつ、おいしいところをさらっていき、時間がきたら、「じゃ、ね」と手を振って、さらりとサヨナラできたことも想像できる。
残念ながら私は彼女のようにタバコは吸わないし、カウンターでひとり本を読むにしても、超朝型なので、すぐに眠くなってしまう。おまけに、何も食べずに飲む、ということができなくて、いつも何かをバクバク食べている。まったく、一人で飲むのが絵にならない。
今日描いたのは、その、初めてひとりでこのビールを頼んで恥をかいた六本木のお店で、持ち帰り用に買ったコロナの小瓶。その後、その店は私の行き付けとなり、初めて描いたコロナとライムの絵は、お店に暫く飾ってもらえた。もう暫く行っていないので、今はどうなっているかな・・・
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プロフィール
HN:
May
性別:
女性
職業:
派遣社員、イラストレーター
趣味:
読書・お酒・ガーデニング
自己紹介:
派遣社員をしながら、絵本作家目指して、年1回、コンクールに応募しています。
【お知らせ】
2010年10月17日からしばらく日記を休んでいましたが、このたび、絵本のコンクールへの応募が無事済みましたので、2011年6月13日から再開いたしました。またよろしくお願いしますね。
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2010年10月17日からしばらく日記を休んでいましたが、このたび、絵本のコンクールへの応募が無事済みましたので、2011年6月13日から再開いたしました。またよろしくお願いしますね。
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